2006年、25〜34歳の若
手が1年以内に転職した数
は、過去最多となる110万
人の大台に乗った。-これに
追い打ちをかけるレイス。
若手が仮面の下に潜ませる気持ちに
上司が気づかない限り、彼ら彼女らは、
ある日突然姿を消す。次に見るのは、
何気ない居酒屋の風景。そこで本誌は
若手の本音を垣間見た。●揺れるエリート
若手は自分の居場所を探している。
●本誌は見た1
「狙われる」若手
2月2日金曜日の夜7時。束京駅に
ほど近い外資系ホテルのラウンジ。こ
こに、仕立ての良いスーツに高級腕時
誹をはめた1人の男が現れた。
青木祐二(仮名、32歳、上の写真の
右側)。大手コンサルティング会社の
コンサルタントだ。こちらも若い男が
丁重な物腰で青木を迎える。ピアノの
調べの中、ラウンジの片隅に座った2
人は静かな口調で話を始めた。
「青木さんにぜひご紹介差し上げた
い先方の会社はですね…」●売上高三〇億!スカウト事業の新たな一手
SNSでビジネスエリートの
コミュニティづくりを進めるレイス
●このサービスがすごい!
1.まだ未開拓であるビジネスSNSを提供。
2.ビジネスエリートに絞ったコミュニティ。
3.コネづくりが簡単にできる機能搭載。●ビジネスSNS『wizli』を開設した理由
1、スカウト対象者のアフターフォロー
スカウト対象者全員が泌ずしも成約にいたるわけではない。しかし、その理由は人それぞれ.今後のことも考えてサポートしていく。そしてタイミングがあえば、また新しいステージを提供ずることになる。
2、新規ビジネスパーソンへのアプローチ
八イクラスのビジネスパーソンのためのコミュニティに参加する人たちは、その時点でレイスにとっては潜在的なスカウト対象者になる。
3、八イクラスビジネスパーソン向けのビジネスのための情報収集
八イクラスビジネスマンから得られる情報をもとに、彼らが求めるサービスを提供していくことを考えている。ビジネスだけでなく、ライフスタイルのサポートもサービス領域で虜る。
4、ビジネスSNSの将来性
SNSを利用している人でビジネスSNSに関心を持つ人は約10%。しか
し実際に活用している人は3%。つまり、現状のビジネスSNSはビジネスにっなげたい人たちの受け皿にはなっていないというごとだ。「留学したいなんて、今の部署でし
ゃべったことはほとんどない」。話は
盛り上がる。「飲みは楽しい人と行く
ものでしょ」「多分、今の部署で孤独
だからSNSにはまってるんだと思う」
職場で仮面をつけた若手は、オフ会
で解放される。そして、富士通という
会社の魅力を改めて感じる。
参加者の1人、30代男性は、「富士
通って活気がない会社だと思っていた
けど、SNSやオフ会を通じて、活気
がある人も会社に愛着を持ってる人も
いることを知って、すごく救われた気
がした。普段、同僚とそういう話をす
る機会もなかったから」と話す。「我々だって必要な人材を引き抜か
れたこともある」と言う藤。その反省
もあり、人材流出を防ぐ知恵を常に絞
っている。会社のビジョンをモルディ
ブのビーチで語り合う研修旅行を実施
したり、社員同士のプライベートなつ
ながりを保つため、先輩と後輩が仮想
家族を作る「里親制度」を導入した。
採用活動にかける費用は2億円と、新
たな人材獲得への投資も惜しまない。wizliでは今後もエグゼクティブのイスをwizliユーザーに適した案件が登場次第随時開催する。会員から上場企業・急成長未上場企業の役員、事業部責任者などのビジネスエグゼクティブが輩出される流れを作り出し、若手ビジネスパーソンの人脈形成の場に止まらず、キャリア形成の部分にも大きく貢献する SNSとして、独自のサービス展開を狙う。
■ 加熱するビジネスSNS業界
日記やメッセージ機能を使用しインターネット上で多く人との交流を持つことのできるSNSは友人間など、プライベートでの
コニュニケーションが主な利用目的であった。しかし最近ではビジネスでの人脈作りや情報交換にSNSを利用したいという
ビジネスパーソンのニーズの高まりから、ビジネス用途に機能を絞ったビジネスSNSが活況を呈している。
2007年だけでも、niftyの運営する「ビジネススペース」、リクルートの運営する「リクナビCAFE人脈BANK」、アドウェイ
スの運営する「Bizzo」、などが次々とオープン。また、世界最大のビジネスSNS「LinkedIn」が日本上陸を発表するなど、
ビジネスSNSは今、非常に注目を集める業界となっている。
「職場に違和感や疑問を感じながら
も、処遇や環境にある程度満足してい
て行動に移さない人が多い」。レイス
はその動かない層に「気づき」を与え、
転職市場に引きずり出す。
その市場規模はどれほどなのか。
民間シンクタンクの労働運動総合研
究所によると、年収400万円以上のホ
ワイトカラー(管理職を除く)は1013
万人。藤は、このうち600万人ほどが
20〜30代の若手世代と見ている。
「今いる場所がベストかと聞くと、
半数がノーと言う。つまり600万人の
うちの半数、300万人に潜在的なミス
マッチがあるということです」レイスが始めたスカウト事業は、
ヘッドハンティングビジネスの新
たな潮流になろうとしている。
「スカウト」をキーワードに、将来の幹部候補であるビジネ-スエリートをヘッド.ハンティングしていくレイスのオフィス,話題を集めているビジネスSNS「wizli』もこのオフィスで運営されている。スカウトでばマッチング成功
率は高いが,期待に及ばずとい
うケースもある。その割合はお
よそ3分の1。スカウトの場合,
高い水準にハードルを設定して
いるごとも影響している。
本書最終の第6章ではビジネ
スSNS (ソーシャル・ネットワ
ーキング・サービス)の活用に
ついて説明。レイスは今年4月,
「wizli」(ウィズリ)を開設。す
でに会員は1万人を超えるとい
う。「簡単にいうとミクシイの
ビジネスバージョンです。優秀
な若手ビジネスパーソンのネッ
トワークを広げ,互いに刺激し
合い,縁をつくったりビジネス
につなげたりできればと考えま
した。こんな営業に行ってきま
した,いい本に出合いました,
というように日常のビジネス行
動について語り合い,感化し合
っています」
ここでの人脈がキャリァアッ
プにつながる可能性もある。一
方,運営するレイスもスカウト
につなげる人脈ツールとして役
立てる考えだ。(佐久間)では、どうやって標的を探すのか。
「入社5年目のOOです。この仕事
は、やってみると本当に楽しく…」
景気が上向く中、新卒採用を一気に
強化している大手企業。各社は必ずと
・言っていいほど、若手社員が部署名と
実名で登場する「先輩の声」をホーム
ページなどで紹介し、学生に会社の魅
力を必死で伝えようとしている。そんな青木がここに来たのは、白分
の市場価値に対する好奇心から。「話
だけでも聞いてみよう」という軽い気
持ちの青木に、吉村は1時間ほど熱弁
を振るった後、こう告げた。
「相手先の社長に一度お会いになっ
てみてはいかがですか」
「そうですね、1魔くらいは」。